オリンピックのPR・広告の費用対効果はいかに?

オリンピックのPR・広告の費用対効果はいかに? - Truestar Consulting Group

オリンピックのPR・広告の費用対効果はいかに?

爺の雑言9 オリンピックのPR・広告の費用対効果はいかに?

広告すべき相手にどうやってコミュニケーションの効率効果を高めるのか。各企業はマーケットにおいてその地位を獲得、確保、拡大するために大量のマーケティング投資を行っている。総てのマーケターは、その投資がはたして思い通りの効果を果たしているのかを検証することを避けて通ることは許されない。前回の爺の雑言8でJAA会員社の広告部門が広告効果への取組に力を入れていることを書いた。広告効果の確認は継続的に行うことでさらに意味あるものとなる。広告費はマーケティング施策上での費用ウエイトも高い割に、その効果が計りにくいものとされてきた。だが、最近の広告マーケティングコンサルティングの世界では、広告を行った結果を常にチェックし、PDCAサイクルに基づき、次に何を、どのように修正し、対策を講じて次の活動に繋げるかのサービスが進んできている。マーケティング・広告に関わる行為を可視化することで、より効率的で効果的にできるようになってきた。

NEELに期待

広告投資効果・ブランドイメージを包括的に可視化できるマーケティングROIサービス「NEEL」をTruestar Consulting Group株式会社が提供開始した。迅速にマーケティングPDCAサイクルをサポートするサービスだ。複数のメディアに広告出稿したが、メディア単体の効果測定をしただけでは全体での広告効果が分からない、適切なメディアミックスがなされたのか分からないという課題を解決するためにNEELは登場した。

NEELはオンライン・オフラインメディアを横断した広告キャンペーン施策全体の広告投資効果を検証可能としている。加えて、消費者が自社ブランドに対して感じている質的イメージを把握し、消費者が持っている満足/不満を掘り下げ、刻々と変化する市場における競合他社とのポジショニングを常時把握することを実現するサービスだ。各施策による消費者への影響(認知・興味、検索、訪問など)に加えメディア間の相乗効果を測ることも可能にしている。その上、各施策による売上や利益などへの貢献度(KPI/KGI貢献度)に対し、それを時系列に追うことで中長期的な変動を把握し、より包括的で正確な広告投資測定を可能にしている。これらは定期的にトラッキングすることができ、スピーディーなPDCAサイクルを回せるようにしている。

爺の雑言をTruestar Consulting Group株式会社に載せているので、NEELを勧めていると思われては困るので、これ以上のコメントは避ける。言えることはNEELをうまく使えと言うことだ。

サービスの開発詳しい内容はhttps://truestar-cg.work/services/neel/を見ていただきたい。勿論、直接Truestar Consulting Group株式会社にお問い合わせいただきたい。

オリンピックのPR・広告の費用対効果は随分と高いものに

東京オリンピックが無観客で行われることが、8日に決まった。スポンサー企業にとっては通常の広告・PR活動と同様に効果測定はされるだろうが、無観客になったことで、スポンサーシップで期待していた効果の大幅低下は否めない。それはオリンピックのオフィシャルパートナーにとって大きな誤算であり、投資効果に見合わない協賛金となってしまったかもれない。

3,720億円とも言われるオリンピック協賛金額(過去最高の北京大会の3倍)をオリンピック組織委員会は集めている。1984年のロスアンゼルス大会以降、スポンサー企業は「一業種一社」の原則であったが、今回はその原則を曲げて組織委員会は多数の企業と契約し、多額のスポンサー料を集めることに成功したと聞く。ワールドワイドオリンピックパートナー(約200億円協賛、日本ではトヨタ自動車、パナソニック、ブリジストンの3社)の他に、日本組織委員会と契約した国内スポンサーは68社。スポンサー企業のランクはゴールドパートナーT1(約150億円協賛、アサヒビール、アシックス、NEC、NTT、など)、オフィシャルパートナーT2(約60億円協賛、東京ガス、日清食品HD、日本航空、ANAHDなど)、オフィシャルスポンサーT3(約15億円協賛、AOKI、コクヨ、ヤフー、ボストンコンサルティンググループなど)にわかれている。これらの多くの企業には通常通りの大会開催に備え準備していた活動企画があった。東京への緊急事態宣言と無観客開催決定で、それらの計画に大きな影響を与えることになった。例えば、オフィシャルパートナーT2の交通インフラや観光関連企業(ANA、JAL、JR東日本、東京地下鉄、JTB、東武トップツアーズ、近畿日本ツーリストなど)にとっては、想定していた営業収入ばかりでなく、計画していたイベントなどのPR・広告効果にも打撃を与えることにもなった。また販促キャンペーンで入場チケットプレゼント企画を実施していた協賛企業は追加費用で代替案での対応を余儀なくされることになった。

許せないオリンピック前夜のブランド毀損狂騒

無観客決定までのドタバタ劇はさておき、オリンピックスポンサー企業へのブランドを毀損する行為があったのは残念であり、当事者がその反省さえできないのに怒りさえ覚える。

その1:NECを傷つけた平井デジタル改革担当相

東京オリンピック・パラリンピック時の海外からの観客用に「オリンピック・パラリンピック観客等向けアプリ」の開発費用総額約73億円が、高すぎると追及された平井卓也デジタル改革担当相(以下、平井大臣)は「各システムの構築や多言語対応に加え、そしてGDPR(EU一般データ保護規則・EU域内の個人データ保護を規定している)への対応などにお金がかかっている」とはじめは述べていた。その後、海外からの観客受け入れ見送りに伴い、アプリから顔認証やビザの申請などの機能を除くことが決まり、「費用を47%削減した」と発表した。血税で発注する78億円を38億円に値切り、40億円の発注金額を浮かした平井大臣の手腕というか豪腕ぶりは見事に見えた。

だが、その過程で、平井大臣が、顔認証の機能の開発を行うNECとの経費削減をめぐり、交渉を担当する内閣官房の幹部を前に「(NECを)脅しておいたほうがいい」「(デジタル庁から)完全に干す」などと述べた発言を行った(6月9日の『朝日新聞デジタル』より)ことが問題になった。およそ5億円で契約したが、(NECの)顔認証(機能)は、開発も運用もなくなりゼロ(契約解除)にしたと説明していたのだが、NECはすでに開発をほぼ終えていた。「いらなくなったから、タダにしろ」と国の都合で減額されたのだ。「ゼロにしろ」は権力者の恫喝であり、NECにしてみれば、「殿、ご無体な」の話である。外国人の観戦を認めない国の決定による仕様変更なのだから、途中までの費用請求は本来当然のことである。NECにしてみれば、脅されるいわれはないはずだ。「国の税を使うのだから強気で交渉しろ」と内閣官房の幹部に激をとばしたようだが、その契約を承認したのも平井大臣ではなかったのか。

そして6月17日の「週刊文春」には、デジタル庁が発注予定の事業に、平井大臣と近い関係にあるベンチャー企業を参加させるよう求める発言をしていたことが、音声データでわかったと記されている。「そこの顔認証、はっきり言ってNECより全然いい部分がある。だから聞いて。もうどこから撮ったっていけるし、速い。アルゴリズムがとっても優秀」と発言し、この直後に「NECには死んでも発注しない」という発言が続いていたようだ。発注機関の責任者である大臣のこの発言は、問題であり、具体的な企業名を上げて言っていたら「官製談合防止法」に触れる行為にあたってもおかしくない。自らの責任は棚に上げて脅しにかかるとは何事かだ。

NECはオリンピックのゴールドパートナーT1(約150億円協賛)をしている。協賛しているにもかかわらず、その企業を閣僚の一人が誹謗中傷しブランドを毀損したのだ。NECの顔認証システムはデジタル先進国インドでも高く評価されているシステムである。平井大臣のような旧式デジタル頭では新設デジタル庁のマネージが難しいだろう。さらにデジタル後進国日本が続くリスクにもなるのではと心配になる。菅総理には平井大臣を早急に罷免し、デジタル分野の遅れを取り戻し、数年先のデジタルを見通せるバリバリの若手にまかせる英断を望むところだ。

その2 アサヒビールを傷つけた丸川五輪大臣発言

オリンピック会場での酒の提供、飲酒中止の決定までの途中、丸川珠代五輪大臣の発言はひどいものであった。6月22日の会見で、丸川五輪大臣は「現在、飲酒や酒類の提供のあり方については組織委員会が検討していると・・・大会の性質上、ステークホルダーの存在がどうしてもある。組織委員会としては、そのことを念頭において検討されると思う。」と話していた。

競技会場内では、丸川大臣が言うステークホルダー(1業種1社のスポンサー契約を結んでいる)は「アサヒビール」でビールなどを独占供給できることになっている。聞きようによってはアサヒビールが五輪会場で飲酒をゴリ押ししているような発言になっている。案の定、アサヒビールには沢山の抗議や批難が殺到したようだ。

アサヒビールはゴールドパートナーT1で協賛契約している。1業種1社の酒販売を目的に契約をしているのではなく、企業の社会的貢献、広告などと同じく企業及びブランドイメージを高めるために、大金を出しているのだ。しかもアサヒビールは前もって販売中止の方向でオリンピック組織委員会に話を入れていたのだから丸川五輪大臣の発言は罪が重い。

また東京オリンピック・パラリンピック組織委員会も23日の会見で、観戦する際の新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを公表し、「競技会場内での飲酒はできない、アルコール飲料の持ち込みも禁止、会場内での販売も行わない、関係者向けラウンジなども含めて酒類提供を見送る」との考えを示した席で「アサヒビールさんにはご理解をいただいた」と発表した。これでは、嫌がるアサヒビールを説得したように聞こえてしまったのは爺だけだろうか。そうではなく、「アサヒビールさんから先に申し出でをいただいていた」と言うべきではないだろうか。お金を出してイメージを毀損されたのでは踏んだり蹴ったりではないか。

その3 日当は高いのか

2021/05/30 AERAdot によると、5月26日に開かれた国会の衆議院文部科学委員会で、東京オリ・パラ組織委員会と東急エージェンシーが交わした業務委託契約書に添付された内訳書に、本大会に向けての準備業務としてのディレクター2人に最高額で1人日当、35万円。40日間で2人に計上された予算が2800万円。大会準備期間における会場運営計画策定業務のディレクターが一人、日当25万円。40日間で1人、1000万円、大会期間中における会場運営業務の運営統括、ディレクター、スーパーバイザーが日当、20万円。サブディレクターが13万5千円、アシスタントディレクター10万円、マネージャー5万円。日当の最低金額はサービススタッフ2万7千円で、人数約800人の契約金額合計は約6億2300万円(消費税込み)となっていたようだ。立憲民主党の斉木衆院議員は日当が高いと責めていたのだろう。

最高額で1人日当、35万円は果たして高いのだろうか。組織委の布村副事務総長は「単価は、必要な経費やバックヤードの費用を含むものと推測され人件費単価そのものではない」などと答弁している。そうであるならば、知的創造者として働く時間に関係なく成果を出す締め切りまでの日数が40日で1400万円を単に日数で割った日当が35万なのだろう。7時間労働としたら時給5万円だが、10時間の労働だったら3.5万円だ。フィー報酬であるならば、年金、保険、福利厚生費などの給与関連費と企業間接費(施設費、光熱費、事務・財務・IT費、消耗費など)に利益も単価に含まれていることになり、高い知的創造者に対しての報酬としては、べらぼうに高いとは言えない。だが、残念なことに、別に営業管理費として20%上乗せして見積もられていたとも記されていた。それだと1人日当、35万円に給与関連費と企業間接費と利益は含まれていないことになる。大会準備期間における会場運営計画策定業務がどれほどの知的創造業務はわからないが、東急エージェンシーの決算書から逆算した報酬水準よりも高いなと思うけれど、どんな知的創造作業かの内容も精査できないままで、この報酬が高いと言うのは避けておきたい。

この問題、はたして東急エージェンシーが悪いのだろうか。そうではない。依頼した東京オリ・パラ組織委員会が見積もり内容を精査もせず認めてきたことにある。知的創造作業においては、費用が安く感じるか、高く感じるかは仕事結果で最終的に判断することになる。

加えて、斉木議員は単純労働のサービススタッフ日当2万7千円について、パソナグループの<パソナから東京2020で働く>という人材募集のホームページを参照に、競技会場運営という分野の時給が1,650円(1日あたり実働7時間45分)とあるので、日給は約12,700円となるが差額(差額14,300円X 800人X 40日=457,600,000円)はパソナがピンハネしているのではないかと語っている。パソナグループはT3の協賛金(約15億円)を出しているが、オリンピックで荒稼ぎはおかしいのではないか言われても不思議ではない。

応援はテレビで、選手の活躍を

オフィシャルでなくても、会場近辺に看板購入や交通広告を計画していた広告主企業も、このタイミングではキャンセルもできずその広告効果は低下してしまうことは間違いない。

テレビ局のオリンピック番組提供枠販売は電通買い切りで進んでいる。毎回オリンピック期間中のスポットCM枠は不足する状況になるが、今回も変わらないようだ。

無観客開催となり、世界におけるブランドとしての日本、東京の低下は否めない。我々日本人ができることは、テレビ・デジタル機器を通して、日本選手ばかりでなく、各国から来てくれた選手達を応援ことだ。

当記事は一切の転載・引用を禁じます