オリンピック開催にメリットはあるのか?

オリンピック開催にメリットはあるのか? - Truestar Consulting Group

オリンピック開催にメリットはあるのか?

7月23日に東京オリンピック2020大会の開会式がありましたが、オリンピック開催がもたらすメリットやデメリットをご存じですか?

今回はいくつかの大会事例をもとになぜオリンピックを招致したい都市が多くあるのか、その背景にあるデメリットなどを見ていきます。

 

 

オリンピック開催時に発生したコスト

オリンピック開催は開催都市に多額の負債をもたらします。

と言うのも、オリンピックの開催以前に招致活動を行う際に国際オリンピック委員会(IOC)へ入札行う必要があります。

その提出には数百万ドルの費用がかかります。

また、開催都市は通常、イベント主催者、ホスティング業務、コンサルティングなどに関して5,000万ドルから1億ドルの手数料を費やします。

その過程を経て招致に成功しなければオリンピックを開催することができないのです。

実際に、東京オリンピック2020は招致活動で約1億5000万ドル、入札に約7500万ドルを費やしています。 

 

 

招致活動に成功し、実際に大会の開催のフェーズに入るとこの費用に加えてさらに大きなコストがかかります。

2012年に行われたロンドンオリンピック・パラリンピックは146億ドルのコストがかかりました。

このうちの44億ドルは納税者からのものです。つまり大量の税金がつぎ込まれています。

 

開催都市に決定した場合、大量の人流に適応できるように道路の整備、空港や鉄道設備の強化などが行われます。

また、宿泊施設の完備も必須事項となり、選手の為のオリンピック村、旅行客、メディア関係者などの為のホテルの建設など様々なインフラ整備が必要となる場合が多いです。

全体として、これらのインフラコストは50億ドルから500億ドルになる可能性があります。

 

ではなぜこのような巨額な金銭的負担を抱えてでもオリンピックを開催したい都市が多くあるのでしょうか?

 

 

オリンピック開催のメリット

開催都市が開催のために行うインフラ整備は将来的に利益をもたらす可能性があるかもしれません。

例えば、リオオリンピックでは15,000の新しいホテルの部屋を建設しました。

ソチオリンピックではスポーツインフラ建設に約425億ドルを投資しました。

北京オリンピックでは、道路や空港、地下鉄などのインフラ建設に225億ドル以上、環境浄化に約112億5000万ドルを投資しました。

これらの投資は将来的に都市に利益をもたらす働きをする可能性があります。

これに加え、観光客やスポンサー、メディア関係者など多くの人々が都市を訪問し、巨額のお金を落としていくことは明らかです。

 

 

一方で開催することによるデメリットも当然存在します。

 

 

オリンピック開催のデメリット

オリンピック開催による雇用機会の増加をメリットとして思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

しかし、雇用機会の創出は思ったより大きくないのが現実のようです。

例えば2002年のソルトレーク・シティーでのオリンピックはわずか7,000人の雇用しか生み出すことができませんでした。

ほとんどの仕事は失業者ではなく既に雇用されている労働者のもとへ行くためです。

また、建設会社やホテル、レストランなど国際企業が整備を行うことが多く、その結果として利益の多くはホスト都市の経済ではなくそれらの企業へと流れていきます。

オリンピックを開催して得られる収入は支出の一部分しかカバーすることができず、結局のところは多大な支出だけが残されます。

例えば、2012年ロンドン大会は52億ドルの収益を生みだしましたが、180億ドルを費やしました。

北京大会ではは36億ドルを生み出した一方で400億ドル以上を費やしました。

これらの結果から分かるようにオリンピックの開催では多大な損失が生まれているのは事実です。

オリンピックアリーナの創設による負債

他の問題として開催後の施設の維持費があげられます。

オリンピックのために建設されたアリーナの多くは、非常に大きく維持費も非常に高価です。

例えば、シドニーのスタジアムは年間3,000万ドルのメンテナンス費用、北京の鳥の巣アリーナは年間1,000万ドルのメンテナンス費用がかかります。 

このような側面を考えるとオリンピックを開催した後にも多大な経済負担は残り続けることがわかります。

オリンピックのコストの例

リオデジャネイロオリンピック2016

ブラジルでは当時ジカウイルスが広まっており、健康上の懸念から多くの観客が入国しませんでした。

ブラジル政府はオリンピック中に2,000人の医療従事者を支援しましたが、同国の債務危機は医療システムにさらなる負担をかけました。

さらに、下水と「スーパーバクテリア」で汚染されている水が競技会場に使用されているのではないかと言う懸念も露呈しました。

ブラジルは、オリンピック前に、ジカウイルスの影響によりすでに推定70億ドルの観光機会を失っていました。

2016年のオリンピックは、ブラジル政府がホストするために投資した約131億ドルに加え、公私のお金の組み合わせで支払われたインフラのアップグレードでさらに82億ドルの費用がかかりました。

しかし上記で述べたような情勢であったために期待していた経済利益を得ることはできませんでした。

それ以前に、リオデジャネイロ州は教師、病院労働者、年金の支払いに遅れが生じ、市内の犯罪レベルに上昇してしまっていたようです。 

東京オリンピック2020

日本は2020年のオリンピックを120億ドルを入札し、開催都市となりました。

しかし、COVID-19の影響により2021年の夏への延期を余儀なくされました。

延期により、総支出にさらに28億ドルが追加され、 COVID-19の影響により無観客開催となり大きな経済損失となりました。

またコスト面だけでは無く、医療現場のひっ迫を導く懸念があるなど様々な問題が懸念された中での開催となりました。

まとめると・・・

オリンピックの開催は、都市にとって深刻な経済的欠陥をもたらす傾向があります。

これは実際に過去の開催都市を見ていくと明らかな事実であることがわかります。

金銭面だけを考える場合、新たなインフラ整備にと投資する必要があるならば開催をしないことが賢明な判断であると言えます。

しかしオリンピック開催を通じ、国自体が盛り上がること、国際的な祭典を通じて時刻をアピールすることができる機会などポジティブな側面も多くあることは事実です。

 

 

 

参考文献:

The Economic Impact of Hosting the Olympics (investopedia.com)

Who Actually Pays for The Olympics? (investopedia.com)